再治療を繰り返し保存不可能となった歯に対して、抜歯即時インプラント治療を行い、外科的侵襲が少なく短期間で治療を完了した一症例
こんにちは!千葉県柏市イオンモール柏向かいにある、ウィズ歯科クリニックの国際口腔インプラント学会認定医の小川です!
本日は再治療を繰り返し保存不可能となった歯に対して、抜歯即時インプラント治療を行い、外科的侵襲が少なく短期間で治療を完了した一症例について紹介させていただきます。
治療前 治療後
カウンセリング・診断結果
患者様は50歳代女性。左上の奥歯の被せ物が土台ごと外れてしまったことを主訴に来院されました。患者様のお話によると、この歯については20歳代頃に虫歯の進行により歯の内部にある神経を保存することが困難と診断され抜髄(歯の神経を抜くこと)した後、土台を作製し、その後被せ物を装着して治療を終えました。
それから20年は問題なく経過をしていましたが、40歳代頃に突然被せ物が土台ごと外れてきてしまったため、当時のかかりつけ歯科にて再度歯の根の治療を行い、土台と被せ物の再作製をしました。
その後は数年に一度のペースで被せ物や土台の脱離や周囲の歯肉の違和感や腫れなどを繰り返していたそうで、今回またしても土台ごと脱離をしてしまったことをきっかけとして、より長持ちする方法を求めて当院に足を運んでいただいた次第です。
口腔内診査及びレントゲン検査より、当該箇所の左上奥歯は失活歯(神経がない状態)であり、幸い歯の根に感染は生じていない状態でしたが、歯の根の表面は傷みが激しく、たとえ傷んでいる箇所を除去して上で土台建て直し被せ物を装着したとしても、この歯の根が噛む力に耐えられず、今後も脱離を繰り返す可能性が高く、最終的には歯の根に破折が生じて抜歯になる可能性が非常に高いため、抜歯処置が必要と診断しました。
ご来院時の状態
上記の説明を患者様に行った所、患者様も薄々抜歯と診断されることは予期していたようで、抜歯に対する了承を得られました。
その上で、次に抜歯後の欠損補綴治療について相談しました。
今回は中間欠損(両隣に歯が残存している状態)でしたので、治療法として次の方法を提示しました。
治療方法のご提案
①ブリッジ治療
概要:抜けた歯の両隣の歯を土台として、人工の歯を橋のようにかぶせる治療法
メリット
・固定式でよく噛める
・外科的な治療を必要としない
デリメット
・両隣の歯を大きく削る必要がある
・欠損部の噛む力を両隣の歯で支えるため、非常に負担がかかる
・連結することで歯ブラシがしづらくなり、虫歯や歯周病にかかりやすくなる
②入れ歯治療
概要:抜けた歯の両隣の歯に金属のバネをかけて欠損部にたいして人口の歯を装着する方法
メリット
・ブリッジと比べると歯を削る量が少ない
・取り外しが行えるためブリッジと比べると歯ブラシがしやすい
デリメット
・取り外しが必要であり、食後の度に外して掃除が必要
・噛む力を歯肉で負担するため、歯肉の痛みや違和感が生じやすい、またしっかり噛むことができない
・保険の入れ歯の場合、両隣に金属のバネがかかるため見た目が自然でなくなる
③インプラント治療
概要:インプラント体と呼ばれるチタン製の埋め込み、その後土台と被せ物を装着する方法
メリット
・ブリッジや入れ歯のように両隣の歯を頼る必要がなく負担がかからない
・自分の歯のように噛むことが出来る
・入れ歯の様に取り外しが必要ない
・見た目が自然
・ブリッジや入れ歯と比べると圧倒的に長持ちする(再治療の必要がない場合が多い)
デリメット
・手術方法によっては外科的な侵襲が高いことや治療期間が長くなってしまう場合もある
・自費診療のため費用が高額
・チタンアレルギーの方には行えない(非常に稀で0.1〜0.2% 程度)
上記の説明を患者様に行った所、もうこれ以上この歯に悩まされたくないとの思いから、条件によっては半永久的に安定するインプラント治療を検討されましたが、インプラント治療のデメリットである〝治療期間が長い〟ことがネックとなっていました。
一般的なインプラント治療は抜歯を行った後、約3-4ヶ月の治癒期間を置き、その後インプラント体を埋入する手術を行い、インプラント体が骨と結合する期間を3-4ヶ月置いた後に土台と被せ物を装着するため、治療完了まで平均で6-8ヶ月間かかってしまい、その治療期間の長さが問題点になることがしばしばあります。
そのため、当院では少しでもインプラント治療が短期間で完了できる様、抜歯即時インプラント治療を第一に考えています。
抜歯即時インプラント治療とは、「歯を抜いてすぐ(同じ日に)インプラント体を埋入する手術方法」 です。特徴として、一般的に抜歯を行ってから骨の治癒を待つ期間をスキップできるため、治療期間が短縮できるだけでなく、抜歯とインプラント手術を同時に行うため外科処置が1回で済みます。また抜歯を行うと治癒するまでの期間で平均して30%程の骨や歯肉が痩せると言われますが、インプラント治療によって、悪い変化が起きる前にインプラント治療を行うことができます。
ただ、通常のインプラント治療と比べると手術の難易度が高いこと、また条件としてインプラントを安定した状態で固定できる骨の厚みがあること、骨の内部の感染が広範囲に及んでいないことが挙げられ、適応症例についてはしっかりと選別していく必要があります。
場合によっては通常のインプラント治療を進める場合や、外科的侵襲が最も高い骨増生法が必要と診断する場合もあります。
行ったご提案・治療内容
さて、今回の患者様の場合、骨の中に感染はなく、またインプラントを安定した状態で固定できるための骨の厚みも十分であったため、抜歯即時インプラント治療が最適と診断し、治療期間も4ヶ月まで短縮できることを患者様に説明した所、了承を得られたため治療に入りました。
まずは術前のCT画像を元に、インプラントの埋入位置をPC上でデジタルシミュレーションを行い、0.1mm単位でインプラントの位置を調整した後、サージカルガイドの作製を行いました。
(サージカルガイドについて https://www.with-dc.com/info/4827/)
サージカルガイド
術当日は局所麻酔後に抜歯を行い、炎症を起こしている組織の除去を注意深く行った後に、サージカルガイドを装着下にドリリングおよびインプラント体の埋入を行いました。良好な初期固定が得られたことを確認した後に、インプラント周囲の隙間に骨補填剤を入れ、傷口を糸で縫い合わせて手術を終えました。時間は約30分程でした。
インプラント埋入後
手術から3ヶ月後にインプラントの安定性を数値で診断し、安定していることが確認されたため、アバットメントおよび上部構造物の印象採得を行った後に最終補綴物を装着し、初診来院してから4ヶ月で治療を完了しました。
上部構造取り付け後
術後の経過・現在の様子
治療後に患者様より違和感などの訴えはなく安定した経過を現在まで辿っています。
患者様としては精神的にも肉体的にも負担がかかる外科治療が一回で済んだこと、治療期間が短かったことに非常に満足しておられました。
当院ではインプラントにおける歯周病であるインプラント周囲炎の予防にも力を入れており、初診時およびインプラント治療終了時に衛生士によるメインテナンスの重要性について説明させていただいます。今回の患者様についても例外なくメインテナンスの重要性について説明させていただいた所、現在では3ヶ月に一度欠かさず来院していただいている状況です。
インプラント埋入前 治療終了後
この治療のリスク
・骨や感染の状態によっては抜歯即時インプラント手術を進めない場合がある
・術後2-3日程度は痛みが出る可能性がある(鎮痛剤の服用でコントロール可能)
・抜歯を行うことにより少量の出血および歯肉の腫れを生じる可能性がある
治療期間・費用
治療期間:約4ヶ月
費 用:サージカルガイド ¥55,000
カムログ社製インプラント体 ¥210,000
骨補填剤 ¥33,000
チタンアバットメントメント+ジルコニアセラミッククラウン ¥190,000
計 ¥488,000
まとめ
今回は再治療を繰り返し保存不可能となった歯に対して、抜歯即時インプラント治療を行い、外科的侵襲が少なく短期間で治療を完了した一症例について紹介させていただきました。
インプラント治療は一般的には治療期間が長くなる傾向にありますが、条件次第では今回のような方法が可能です。インプラント治療をご検討されている方は是非、抜歯を行う前に当院にて診断を受けていただくことをお勧めします!
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