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母乳とむし歯の関係って?赤ちゃんの歯を守るために知っておきたいこと

皆さん、こんにちは!イオンモール柏の向かいにあるウィズ歯科クリニックの日本小児歯科学会専門医の根本です。

母乳育児は、お子さまにとって心身の成長を支える大切な営みです。しかし、患者さまの中には「母乳で育てているとむし歯になりやすいって本当?」「授乳とむし歯の関係が気になる」という声も多く聞かれます。そこで今回は、「母乳とむし歯の関係って?赤ちゃんの歯を守るために知っておきたいこと」というテーマで、母乳による授乳とむし歯リスクについて、詳しく解説していきます。母乳育児を安心して続けながら、お子さまの歯を健やかに守るために、ぜひ参考にしてください。

母乳そのもののむし歯リスクは低い?

はじめに、母乳の成分やむし歯リスクについて解説します。

◎母乳の栄養成分と赤ちゃんへの影響

母乳はお子さまにとって、生命の源ともいえる重要な栄養源です。主成分であるたんぱく質、脂質、ビタミン類、ミネラル、そして免疫成分(免疫グロブリンAやラクトフェリンなど)がバランス良く含まれており、発育や健康維持に欠かせない役割を担っています。特に、免疫成分は細菌やウイルスからお子さまを守り、感染症の予防にも大きな力を発揮します。

◎母乳中の糖質とむし歯菌の関係

では、母乳に含まれる成分は、赤ちゃんのむし歯リスクにどのように影響するのでしょうか?

実は、母乳そのものによるむし歯リスクは非常に低いと考えられています。母乳に含まれる糖質は主に乳糖(ラクトース)ですが、乳糖はスクロース(砂糖)に比べてむし歯菌(ミュータンス菌など)が酸を産生しにくい特性を持っています。このため、母乳単独での授乳によるむし歯リスクは比較的低いといわれています。

◎抗菌成分によるむし歯リスクの低減

さらに、ラクトフェリン、リゾチーム、免疫グロブリンAといった抗菌作用を持つ成分が、むし歯菌の増殖を抑制する働きをします。これらの成分は、むし歯の発症プロセスで重要となるプラーク形成を阻害したり、むし歯菌の活動を直接抑えたりする効果も期待できます。特にラクトフェリンには、むし歯菌の鉄イオン利用を妨げることで成長を抑える働きがあることが知られています。

◎母乳に含まれる再石灰化を助ける成分

また、母乳中にはカルシウムやリンといったミネラル成分も含まれており、これらは歯の再石灰化を助け、軽微な脱灰(歯の表面のミネラルが溶ける現象)から歯を守る役割を果たします。この再石灰化作用により、初期のむし歯の進行を防ぐ効果も期待できます。

このように、母乳単独の授乳であれば、赤ちゃんのむし歯リスクは高くないといえるでしょう。したがって、母乳育児をしていること自体が、赤ちゃんのむし歯の直接的な原因になるわけではありません。ただし、授乳環境や生活習慣によってリスクが高まることもあるため、授乳後のケアやタイミングに注意を払うことが大切です。

むし歯リスクが高くなる授乳について

いくつかの状況では授乳がむし歯リスクを高める可能性があるため、注意が必要です。特に、赤ちゃんの成長過程や生活リズムに応じた授乳方法を意識することが大切です。

1. 夜間授乳の頻度が多い場合

夜間に頻繁な授乳を行うと、赤ちゃんの口腔内に母乳が長時間留まりやすくなります。睡眠中は唾液の分泌量が著しく低下し、自然な洗浄作用が十分に働かなくなります。唾液には口腔内を中性に保ち、再石灰化を促す重要な役割がありますが、夜間はこの機能が低下するため、むし歯菌(ミュータンス菌など)の活性が高まりやすくなります。結果として、歯の表面が酸にさらされる時間が長くなり、むし歯リスクが上昇するのです。

2. 離乳食が始まった後の授乳

離乳食が始まると、赤ちゃんの口腔内には食べ物のカスや糖質が残りやすくなります。この糖質は、むし歯菌にとってエネルギー源となり、プラーク(歯垢)の形成を促進します。この状態で頻繁な授乳が続くと、母乳と食べカスが混ざり合い、むし歯菌がさらに増殖しやすい環境が整ってしまいます。特に甘味の強い離乳食やスナックを取り入れる場合は、口腔ケアの徹底がより重要になります。

3. 授乳後の口腔ケア不足

授乳後に適切な口腔ケアを行わないと、母乳中の乳糖や食べカスが歯の表面に残留し、むし歯菌の温床となります。特に上の前歯(上顎中切歯)は、赤ちゃんが哺乳する際に母乳がたまりやすく、かつ唾液の流れが少ないため、むし歯が発生しやすい部位とされています。歯が生え始めた時期から、ガーゼや歯ブラシを用いたやさしいケアを行うことが推奨されます。

赤ちゃんのむし歯を予防するための授乳方法

赤ちゃんのむし歯を予防する上で重要なのは、母乳育児を無理にやめることではありません。むし歯リスクを抑えながら授乳を続ける工夫をすることがポイントです。正しい知識とケアによって、赤ちゃんの歯の健康を守りながら、安心して母乳育児を続けることができます。

1. 夜間授乳を控えめにする

夜間に何度も授乳する場合は、徐々に回数を減らしていくことを目指しましょう。特に、赤ちゃんが寝る直前に授乳する習慣があると、口腔内に母乳が長時間滞留しやすくなります。唾液分泌が減る夜間は、自然な洗浄作用も低下するため、むし歯リスクが高まる要因となります。できるだけ授乳のタイミングを調整し、寝かしつけ方を工夫することがむし歯予防につながります。

2. 授乳後はお口をきれいにする

授乳後には、必ずガーゼや柔らかい布で歯や歯茎を優しく拭き取る習慣をつけましょう。特に夜間授乳後は、歯の表面に母乳由来の糖質が残りやすいため、ケアを怠らないことが重要です。歯が生え始めたら、年齢に応じた歯ブラシと少量のフッ素配合歯磨き粉を使用して、丁寧なブラッシングを心がけましょう。

3. 離乳食後のケアを徹底する

離乳食を食べた後は、できるだけ早めにお口の中をきれいにすることが大切です。食べかすが残った状態で授乳をすると、むし歯菌が繁殖しやすい環境ができてしまいます。授乳前にガーゼや歯ブラシで簡単にケアするだけでも、むし歯リスクを大幅に低減することができます。

4. むし歯予防に役立つ習慣を取り入れる

歯科医院での定期的な口腔チェックや、必要に応じたフッ素塗布を積極的に受けることで、初期むし歯の予防・早期発見が可能になります。また、赤ちゃんの頃から歯科医院に通う習慣をつけておくことで、将来的な歯科治療に対する恐怖心を軽減できるというメリットもあります。

5. 家族みんなで口腔内のケアを

むし歯菌は「感染症」であり、主にご家族から赤ちゃんにうつるケースが多いとされています。特に同じスプーンの使用や口移しなどが感染リスクを高めます。家族全員が日頃から丁寧な歯磨きと口腔ケアを心がけ、むし歯菌のコントロールを意識することが、お子さまのむし歯予防に直結します。

◎推奨される卒乳児期について

卒乳のタイミングは個々の成長や生活環境により異なりますが、一般的には1歳~1歳半頃が目安とされています。特に夜間授乳が続くとむし歯リスクが高まりやすいため、歯の生え始めや離乳の進行に合わせて、夜間の授乳回数を減らしていくことが推奨されます。卒乳はお子さまの心身の発達を見守りながら、無理のない範囲で段階的に進めることが理想的です。

まとめ

今回は「母乳とむし歯の関係」について解説しました。母乳そのもののむし歯リスクは低いものの、授乳のタイミングや授乳後のケアによっては、赤ちゃんのむし歯リスクが高まることがあります。特に夜間授乳や離乳食後の授乳には注意が必要です。赤ちゃんのむし歯予防で大切なのは、授乳をやめることではなく、正しいケアを行いながら母乳育児を続けることです。毎日のちょっとした工夫で、お子さまの大切な歯を守ることができます。ご心配な点やケア方法に不安がある場合は、ぜひウィズ歯科クリニックにご相談ください。患者さまとお子さまのお口の健康を全力でサポートいたします。

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