こんにちは！イオンモール柏向かいにございますウィズ歯科クリニックの小児歯科医根本です。

お子さまの健やかな成長をサポートするためには、乳歯の予防管理がとても重要です。「どうせ乳歯は抜けるから大丈夫」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、乳歯のむし歯は単なる一時的な問題ではありません。実は乳歯のむし歯が放置されると、将来の永久歯にまで大きな影響を及ぼすことがあります。

今回は乳歯のむし歯がどのようにお子さまの歯の健康や発育に影響を与えるのか、具体的なリスクとその対策について詳しくお話します。

乳歯のむし歯は永久歯の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

以下に記します。

・永久歯のむし歯リスクの増加
乳歯のむし歯を放置するとむし歯菌が増え、永久歯のむし歯リスクが高まります。乳歯のむし歯が進行すると永久歯の周囲の環境が悪化し、むし歯になりやすくなるのです。

また保護者の方にむし歯があるとお子さまにもむし歯菌が感染することもあり、永久歯のむし歯リスクを高めてしまいます。食事の際はおはしやスプーン、食器の共有などしない様に気をつけましょう。

・永久歯の歯並び・形成不全
乳歯のむし歯が進行し早期に喪失したり残存したりすると、永久歯の歯並びが乱れたり変色や形成不全が起こる可能性があります。乳歯は永久歯の生えるスペースを確保する役割があるため、適切な時期に抜けることが重要なのです。
乳歯のむし歯が放置されると、永久歯の萌出を阻害してしまい、曲がって生えて来てしまったり本来の位置からずれて生えてくる場合もあります。

・顎の発達が阻害される
乳歯のむし歯が進行して神経を取ってしまうと、歯の根の吸収が上手くいかずに顎の発達にも影響を及ぼします。顎の発達が阻害されると、噛み合わせの問題や顎関節症のリスクが高まってしまいます。

乳歯がむし歯がない状態で口腔内の健康が保たれている事は口腔内の発達全てに関わってくるのです。乳歯のむし歯を放置すれば、お子さまの成長に深刻な影響が出る可能性があります。そのため乳歯のむし歯は早期発見と適切な治療が不可欠ですし日頃からの予防策も重要となります。

乳歯は永久歯より柔らかく歯のすり減りが早いため、詰め物がはじかれ取れてしまいやすく一度歯を削ってしまうと再治療をする可能性が高まりますので、治療が終わってもより定期的な観察が必要になります。

定期検診でむし歯の早期発見・早期治療が可能となり、むし歯の進行を防ぐことができます。また医院でクリーニングを受けることで、普段の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石を除去することができます。

お子さまには幼少期から正しい歯磨き方法を教え、自分自身での口腔内のケアが大事だと伝える事が大切です。歯科医院でブラッシング指導や食生活の指導など親子での定期検診を習慣化し歯の健康を守る意識を育てましょう。

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ご家庭でのケアでむし歯にならない様に予防するのも重要です。丁寧な歯磨き・デンタルフロスの使用・フッ素入り歯磨き粉の活用・キシリトールの摂取など様々な対策が効果的です。

また食べ物にも気をつける必要があります。お菓子やジュース、飴など糖分が多くまた長くお口に残る食品は避け、噛みごたえのある食事を心がけましょう。

「噛むことは顎の成長や歯並びに良い影響を与える」と聞いたことがある方も多いでしょう。実際に、「硬い食べ物を積極的に摂取して歯を強くしよう」と考えている方もいるかもしれません。しかし顎を鍛えるためには、単に硬い食べ物を噛むだけではありません。重要なのは噛む回数を増やすことです。噛むという動作自体が顎を強く丈夫にします。

食べ物をよく噛むなど日常の食事でしっかり噛むことを意識するだけで効果があります。噛む回数が増えると顎の筋肉も鍛えられ、結果として顎の発達や歯並びの改善に繋がるのです。

そして噛むことにはむし歯予防の効果もあります。噛むことで分泌される唾液には食べ物の残りを洗い流し口腔内を清潔に保つ役割があります。唾液には抗菌作用があり、むし歯菌の増殖を抑える効果があります。そのためお子さまだけでなく大人も積極的に噛むことを心がけることが大切です。

特に現代の食生活では柔らかい食品が多く噛む回数が減りがちです。意識的に噛む回数を増やすことで顎や歯の健康を保つことができます。目安としては一口ごとに30回以上噛むことを目標にすると良いでしょう。

むし歯の治療にはその進行度合いに応じてさまざまな方法があります。初期むし歯の場合、フッ素塗布による再石灰化が効果的です。フッ素はエナメル質を強化し、むし歯の進行を防ぐ役割を果たします。定期的なフッ素塗布はむし歯予防に大いに役立ちます。

一方すでに穴が開いてしまったむし歯にはレジン充填などで治療します。レジンは歯の色に合わせた合成樹脂で自然な仕上がりが特徴です。さらに比較的短時間での治療が可能で負担も少ないのが利点です。

むし歯が神経にまで達してしまった場合、根管治療または抜歯が必要になります。根管治療では感染した神経を取り除き、根管内を清掃・消毒してから充填します。この治療は歯を保存するためですが、場合によっては抜歯が最適な選択肢となることもあります。

いかがでしたでしょうか。乳歯のむし歯は永久歯の健康はもちろん、お子さまの口腔内環境全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。定期的な検診と適切な治療そして日頃からの予防対策が不可欠です。お子さまの健康な永久歯の発育のためにも乳歯のむし歯には十分な注意を払いましょう。

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