こんにちは！ウィズ歯科クリニックの歯科医師の小川です。

お子様がいらっしゃる方は「シーラント」という単語を歯医者さんで耳にしたことはございませんか。お子様が「むし歯」にならない様に、日々歯磨きやむし歯予防対策に頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。

フッ素と同様で「シーラント」は小児のむし歯予防にとても効果的な処置の一つです。

そこで、今回は「シーラント」について詳しくお知りになりたい方に向けて概要とメリット、処置の流れから費用までお話しします。

シーラントをお考えの際に是非参考になさってみて下さい。

シーラントとは簡単にいうとプラスチックの樹脂で歯の表面を覆い、歯の奥の溝に細菌や食べ物のかすが入り込まない様に歯の表面を平らにし、歯磨きしやすい状態にする処置です。

特に永久歯が生えてきたばかりの子供たちの歯をむし歯から守る為にとても有効です。以下でなぜシーラントが重要であるかについて詳しくご説明します。

・歯ブラシをしやすくする

6歳臼歯や奥歯は、歯ブラシが届きにくく通常の歯磨きが効果的に行いにくい場所です。シーラントをすると歯の表面が平らになり、歯磨きがしやすくなります。

・複雑な歯の形へも対応

生えたばかりの永久歯は歯の形状が複雑で、表面に凹凸や小窩裂溝（しょうかれっこう）と呼ばれる溝があります。

これらの部分には歯垢や食べた物のかすがたまりやすく、むし歯の原因となります。シーラントをすると歯が平らになり汚れを落としやすくなります。また細菌の侵入も防ぎます。

1. むし歯の予防

シーラントで歯の溝を埋めると汚れがたまりにくいので当然むし歯になりにくくなります。

また生えたばかりの歯は奥歯の溝も深く歯質もやわらかい為むし歯になりやすい傾向がありますので、お子様のむし歯予防にシーラントはとても有効といえるでしょう。

2. 歯を削る必要がない

シーラントの処置は歯を削る必要がないため治療の痛みがありません。歯を削る器具の音が苦手なお子様でも安心して受けられます。

またシーラントをする事でむし歯になりにくくなります。むし歯治療そのものをせずに済めば将来的な歯の健康も維持できます。

歯は一度削ってしまうと、二度と元には戻らない組織なのでなるべく生えたままの状態を維持していく事は非常に重要といえるでしょう。

3. 治療の時間が短い

シーラントの処置は比較的簡単で通常は15分前後で完了します。治療が短時間ですとお子様も飽きずに治療を行えますし不安感も少なくて済みますので安心して受ける事が出来ます。

4. フッ素が含まれている

シーラントに使用されるレジンにはフッ素が含まれていることがあります。フッ素は再石灰化を促進し歯質の表面を強くする効果がありますので、歯を強化しむし歯予防になります。

シーラントをおすすめしたいお子様の歯は6歳臼歯と小臼歯です。

この歯は歯ブラシが届きにくく歯垢や食べかすがたまりやすくなっています。上に生えてくる前歯の溝も汚れの付きやすい場所です。また生えたての歯は歯質が柔らかく形状も複雑なのでむし歯にもなりやすいのです。

その為むし歯予防のためにシーラントをした方がいい歯といえるでしょう。

では実際シーラントをおこなうタイミングはいつが良いでしょうか。

・６歳臼歯が生える6歳前後

・第二大臼歯が生える12歳前後

です。対象の歯が生えたらすぐにシーラントをすると高い予防効果が期待できます。しかし歯が生えるタイミングは個人差がとても大きいですね。

そこで普段から仕上げ磨きの時などにお子様のお口の中をよく観察してあげてください。

・６歳臼歯が生える6歳前後

6歳前後になると永久歯の6歳臼歯が生え始めます。この歯は形が複雑です。また歯ブラシが届きにくいためシーラントを施すことでむし歯予防が期待できます。

6歳前後のお子様はまだ一人での歯磨きがむずかしい年齢なので、むし歯には特に注意が必要です。

・第二大臼歯が生える12歳前後

12歳前後には第二大臼歯が生えるためこの時期にもシーラントを行なった方がいいでしょう。第二大臼歯は噛み合わせを安定させるために重要な歯です。シーラントにより汚れが残りにくくなり歯の健康を維持できます。

乳歯の時にむし歯になってしまうと後から生えてくる永久歯や咬み合わせなどにも影響が出てきます。その為乳歯のうちからむし歯を予防する事はとても重要です。

次にシーラントをする時の流れについてご説明します。

シーラント処置は大まかではありますが以下の4つの工程を行います。

1. 歯の清掃

シーラントを施す前に歯に付着している汚れを取り除きます。これには歯ブラシや歯科専用のブラシを使用して、歯の表面や溝に入り込んだ汚れをきれいに清掃します。汚れがきれいに取れていないとシーラントが定着しづらくなります。

2. 酸処理

歯の表面を酸で処理し表面をザラザラとした状態にします。これにより、シーラントが歯にしっかりと密着しやすくなります。酸処理後、薬剤を塗布しそれを水で洗い流してきれいにします。

3. シーラント充填

歯を十分に乾燥させ水分の影響を受けないようにします。その後シーラントを歯の溝や凹凸に充填します。お子様が口を閉じないようにしてもらう必要があります。

適切な量のシーラントを塗って、歯の溝を埋めるようにします。充填後に光を照射してシーラントを硬化させ歯に密着させます。

4. 噛み合わせ確認

最後にシーラントが充填された歯の噛み合わせに違和感がないかの確認をします。歯の噛み合わせが正常であることを確認したらシーラント処置は完了となります。

シーラントには、いくつかの注意点があります。以下にシーラントをおこなう際の注意点を詳しく解説します。

・ シーラントは欠ける・外れるリスクがある

シーラントは薄いプラスチックで歯の溝に充填されるため強い噛み締めや粘着性の高い食べ物の摂取により、欠けたり外れたりする事があります。

万が一シーラントが欠けたり外れたりした場合は、歯科医院で再処置を受けるましょう。シーラントが欠けたり外れた状態では歯の保護が不十分となりむし歯のリスクが高まります。

・シーラントをしてもブラッシングは必要

シーラントは歯の溝の虫歯リスクを低減させるものですが、他の歯の表面や隙間、歯茎との境目などには影響しません。したがって、シーラントを受けた歯でも歯磨きはしっかりと行いましょう。シーラントを受けた歯だけでなく、お口の中全体の歯磨きが大切です。低年齢のお子様の場合は、保護者の方が手助けをしてしっかりと仕上げ磨きをし、サポートしてあげてください。

・定期検診で口腔内を確認する必要がある

シーラントが欠けたり外れたりしていないかを確認するために定期的な歯科検診が必要です。歯科医師がシーラントの状態に異常がないか確認します。

また検診を行う事でむし歯の早期発見や適切なケアのアドバイスも受ける事ができます。定期的な歯科検診を受ける事で、お子様の口腔内の健康を維持しやすくなります。

シーラントの費用については条件によって異なることがあります。以下は一般的なケースにおける費用の目安です。

・ 健康保険適用の場合（6〜12歳のお子様）

健康保険対象となる場合1歯あたりの負担額は300円から600円程度です。対象は6歳から12歳までのお子様で、初期の虫歯と診断された乳歯や生えたばかりの永久歯に限り対象となります。

・健康保険非適用の場合（18歳以上のお子様や一部のケース）

18歳以上のお子様や一部のケースでは、健康保険は適応外となります。この場合自費診療となりますが、1歯あたりの費用は約1,000円から2,000円程度となります。

注意点として保険の対象や負担額は地域や医療機関によっても異なるため、具体的な料金については歯科医院で直接確認することが重要です。

また健康保険の対象となる場合でも医療機関や地域によって差があるため、気になる方は事前に相談すると良いでしょう。

いかがでしたでしょうか。シーラントはむし歯予防に効果的であることは確かな研究結果もあります。シーラントを行った歯は約60％のむし歯予防効果があると証明されています。

生えたての臼歯は歯の質が弱く溝が深いためむし歯のリスクが高まります。シーラントは歯の溝にプラスチックを詰めて表面を浅くし、ハブラシが届きやすく汚れの残りにくい環境を整えることで虫歯の発生を抑制します。

またシーラントの処置自体も早く5分前後で完了するためお子様でも飽きずに負担が少なく受ける事が出来ます。

そしてシーラントは保険適用されることが一般的ですので費用も1歯あたり300〜600円ほどと安価で受けられます。

これにより多くの方が気軽に予防歯科処置を受けることができます。

当院では小児歯科専門医が在籍しております。お子様の歯の事で少しでも気になることがありましたら、柏の歯医者「ウィズ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちしております。

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