こんにちは！イオンモール柏の国道6号線向かいの歯医者ウィズ歯科クリニックの歯科医師の佐藤です！

今回は東京・神奈川でご活躍されている橋村吾郎先生が講演する（明日からの治療に生かせるAll-on-4 Course）というハンズオンセミナーに参加してきました。セミナーの開催された場所は東京品川にあるノーベル・バイオケア・ジャパン研修室です。ノーベル・バイオケアは日本のインプラントシェア№2のインプラントメーカーでAll-on-4において高い信頼と実績があります。コロナ渦の為、厚生労働省新型コロナ接触確認アプリ（COCOA）を使用し、定員10名までの感染対策を徹底したセミナーでした。

当院ではすでにAll-on-4による治療を行っていますが、最新の知識、技術の修得とシステムのブラッシュアップの為、今回のセミナーに参加してきました。

セミナーの内容は補綴主導型としてAll-on-4における治療計画の立案、上顎・下顎の実習模型を使用したフリーハンド・Guided Surgery それぞれの外科術式、さらにインプラント埋入後の仮歯の調整から最終補綴物の特徴・設計を学んできました。

無歯顎のインプラント治療には大きく分けて３つの治療法があります。

１つ目はインプラントを６本以上使用して咬合を回復させるボーンアンカードブリッジ。２つ目はインプラントを４～６本使用して治療するAll-on-4。

3つ目は2本または4本のインプラントで入れ歯を支えるインプラントオーバーデンチャーです。

All-on-4とは骨量の少ない顎骨に対して後方のインプラントを近心に傾斜埋入し、4～６本のインプラントで補綴装置を支える治療法です。この治療法のメリットはインプラントが骨内での安定性が良好な場合、待時期間を設けることなく即日で仮歯を入れることができます。これは他の無歯顎のインプラント治療にはない特徴です。また、歯肉付きの補綴物を作製できるため審美的にも優れた治療法になります。

治療の流れとして、まずはCTや模型・顔貌や口腔内の写真を撮影し、資料採集を行います。とった資料からラジオグラフィックガイドを作製します。ラジオグラフィックガイドとは最終的な歯の位置、形態を表示したプラスティック製のマウスピースのことです。このラジオグラフィックガイドを装着した状態でCT撮影を行った後、パソコン上でインプラントの埋入位置のプランニングを行います。インプラントの埋入位置を決定した後、サージカルガイドを作製します。

サージカルガイドを使用することにより安定性を高め、位置がずれることなく最終補綴物の材質にあった埋入位置にインプラントを埋入することが可能になります。

インプラント埋入が終わったらサージカルガイドとともに作製しておいた仮歯をつけていきます。この仮歯をファーストプロビジョナルと呼びます。ファーストプロビジョナルの目的はオペ後の審美性の回復と傷口の保護が目的になります。治療後はある程度咬むことができるようになりますが、インプラントが骨とくっつく（オッセオインテグレーション）まで硬いものやかみちぎりにくいものは避けてもらわなければなりません。

4ヶ月程治癒を待ったあとにセカンドプロビジョナルを装着します。セカンドプロビジョナルは最終補綴物に近い形で作製し、食渣が補綴物の下に入り込まないか、咬合の不調和がないか、舌が安定しているか、発音に問題ないか等をチェックします。

以上の事を行った後に最終補綴物を作製し装着します。

当院の最終補綴物にはチタンフレームにアクリル人工歯を並べたものやチタンフレームにハイブリット前装冠を使用したもの、またはフルジルコニアで作製したものがあります。チタンフレームを使用した場合とフルジルコニアでは前歯部インプラントの埋入位置が違うため、口腔内での補綴物の大きさも変わってきます。口腔内は繊細な為、僅かな違いでも違和感は大きくなります。

当院で咬み合わせが長期間安定する材質である。フルジルコニアによる治療を勧めています。

今回のセミナーに参加して学んだことをしっかりと復習し、より安心安全にインプラント治療を提供できるようこれからも技術と知識の研鑽を行い、より良い医療を患者様に提供できるよう日々精進します。