仮歯まで当日装着し、審美性と機能性を早期に回復した40代男性の症例
こんにちは、千葉県柏市にあるウィズ歯科クリニックのインプラント担当医 佐藤です。
今回は「歯がグラグラして咬めない」「見た目が悪くて気になる」とお悩みだった40代男性の患者様に対し、上顎にはオールオン4によるインプラント治療、下顎にはブリッジ治療を組み合わせて審美性・咬合機能を回復した症例をご紹介します。
患者様の情報と主訴
初診時の写真
- 年代・性別:40代男性
- 主訴:「歯がグラグラして咬めない」「見た目も気になる」
- 来院動機:インプラント治療を希望されて来院
診断・カウンセリング内容
初診時の口腔内診査・CT分析の結果、以下の所見が確認されました
- 骨格性上顎前突
- Angle Class I(アングル1級)咬合
- 下顎前歯部の叢生による上顎前歯部の崩壊
- 重度の歯周病と多数歯のう蝕(カリエス)
患者様は「見た目を気にせず生活したい」「出張があるので7月までに仮歯を入れたい」というご希望がありました。
カウンセリングでは、上顎前歯部の崩壊原因が下顎の叢生による突き上げであることを丁寧に説明し、下顎前歯の治療(抜歯+ブリッジ)も同時に行う必要があることを提案。
また、臼歯部の咬合関係は良好だったため、保存しつつ治療計画を立案しました。
治療計画と方針
- 下顎前歯部:抜歯後に仮歯付きブリッジを装着
- 上顎全体:オールオン4によるインプラント治療を選択
- ■ 治療の特徴
- 治療当日に仮歯を装着し、審美性を即日回復
- 治療期間の短縮と出張スケジュールへの配慮
- 鎮静下(静脈内鎮静)でのオペによる痛み・恐怖の軽減
治療の流れ
①オペ前日
・下顎前歯部を抜歯
・仮歯付きのブリッジを装着。下顎前歯の突き上げを排除
②オペ当日(上顎)
・鎮静下にて残存歯をすべて抜歯
・オールオン4の術式でインプラント4本を埋入
・その日のうちに仮歯を装着し即時荷重(審美性をその日に確保)
術後経過と現在の状態
インプラント埋入後の写真
術後3日間は痛み止めを服用していたものの、4日目以降は痛みも軽減し、順調に経過。患者様は「思っていたより楽だった」と安心されたご様子でした。
現在は、インプラントと骨の結合を待っている段階で、問題なく仮歯で生活されています。
治療のリスクと注意点
- 即時荷重を行っているため、術後の食事制限(硬い物・熱い物・粘着性のある物の制限)が必須
- 食事制限を守らないとインプラントが骨と結合せず、ロスト(脱落)のリスクがあります
- 骨量が十分でない方や歯ぎしり・食いしばりの強い方には適応できない場合もあります
治療期間と費用
・治療期間目安
準備期間:約1ヶ月(※通常2ヶ月)
インプラント埋入〜最終補綴:約4〜6ヶ月
・費用(上顎オールオン4+仮歯)
税込 ¥1,500,000
※症例により費用は変動します。カウンセリング時に明確なお見積りをお出しします。
まとめ
今回の症例では、見た目の悩み・出張スケジュール・機能回復という複数のご要望をふまえ、オールオン4+下顎ブリッジという治療を行いました。
オールオン4は、「インプラント治療したいけれど時間がない」「すぐに見た目をなんとかしたい」という方にとって、有力な選択肢です。
ただし、術後の食事制限や適応症の選別も重要ですので、まずは正確な診断が大切です。
ウィズ歯科クリニックでは、国際口腔インプラント学会(ISOI)認定医が3名在籍し、オールオン4をはじめとした即時荷重インプラント治療を多数行っております。