できる歯科医師への第一歩EL会ベーシックコースに参加しました!
こんにちは!イオンモール柏向かいにございます、ウィズ歯科クリニック歯科医師の大熊です。
先日、歯科医師向けのセミナーである「できる歯科医師への第一歩EL会ベーシックコース」に参加させていただきましたのでご報告させていただきます。
EL会ベーシックコースについて
EL会ベーシックコースでは、Enjoy Learning 楽しく学ぶことを理念として全8回の日程で歯科臨床の基礎を楽しく身につけられるコースになっています。
今回は第一回目ということで、このセミナーの概要、治療においての基礎資料の重要性について川名部先生からの講演があり、その後各講師陣からのこれからそれぞれの各論でどのような内容を学んでいくかというオリエンテーションがありました。
診査・診断・カウンセリングの“幹”を鍛える
今回の講義では、歯科臨床におけるカウンセリング・診査診断・治療計画など、いわば“幹”となる重要な部分をしっかりと鍛えることがテーマとなっています。
川名部先生の講義では、理想的な治療計画を立てるためには、以下のような患者情報の収集が欠かせないことを学びました。
・パノラマレントゲン
・口腔内写真
・デンタル10枚法
・歯周精密検査
これらの資料をもとに、まずは理想的な治療計画を立案し、そこから患者様の金銭面やご希望に合わせて柔軟に調整していける歯科医師こそが、良い歯科医師であるというお話がありました。
特に印象的だったのは、若手の歯科医師は患者様の要望に寄り添いすぎて理想的な治療計画を提案できていないことが多いという点でした。
私自身も知識や技術、伝える力の不足から場当たり的な対応をしてしまった経験があります。今回のEL会を通して、自信を持って理想的な治療計画を立案・提案できる歯科医師を目指したいと思いました。
治療計画の立案に必要な口腔内写真の撮影方法
矢野先生からは、治療計画の立案に必要な口腔内写真の撮影方法についての講義を受けます。
・規格性のある口腔内写真の撮影方法
・カメラの設定や撮影時の注意点などの解説
これらの内容を通じて、精度の高い診断資料を記録するための基本的なスキルを習得できると感じました。
実際に自分で撮影した口腔内写真を講義で見ていただき、具体的な改善点を学ぶことで技術向上に繋げたいと考えています。
接着カリオロジーに関する講義
続いて岸先生からは「接着カリオロジー」についての講義と実習を受けます。
歯と修復物(詰め物・被せ物)との接着に関する学問で、適切な接着により再治療のリスクを減らすことができます。中でもラバーダム防湿の重要性が強調され、実習内でも実際に使用しました。
接着カリオロジーとは歯と詰め物や被せ物の接着に関する学問で、詰め物や被せ物がより強固に歯と接着し安定し続けることにより、二次的な虫歯や歯周病の抑制に繋がり、治療を行った歯の再治療を防ぐことが出来ます。
接着にはラバーダム防湿が必須とされており、ゴム製のシートで治療部位を隔離することで唾液や細菌の侵入を防ぎ、乾燥状態を保つことで治療の精度を高め、再感染のリスクを軽減する効果が期待されます。
今回の実習でラバーダム防湿の具体的なポイントを学び、今後の診療にしっかりと活かしていきたいと思います。
根管治療に関する講義
歯内療法学の田中先生からは、根管治療に関する講義と実習を受けます。
根管治療とは、歯の神経や血管が通る根管内の感染や炎症を除去し、歯を温存するための治療法です。抜歯を回避する最後の手段ともいえる重要な治療であり、その精度が予後を大きく左右します。
しかし、根管の先端まで目視で確認することは難しく、部位によっては手探りでの処置が必要となるため、術者の経験や技術に大きく影響する分野だと感じています。
今回の実習では、抜去歯を用いてアクセスオープニングおよびストレートラインアクセスの操作について学びました。私自身、特に上顎大臼歯の近心頬側根でファイルがうまく入らず、治療回数が増えてしまうことがあるため、この講義と実習を通じて苦手を克服し、今後の診療に活かせるよう知識と技術の習得に努めたいと思います。
切開剥離縫合に関する講義
歯周外科学の村尾先生からは外科治療の基礎の基礎で、かつ最も重要な操作である切開剥離縫合について講義、実習を受けます。
何故そこに切開線を入れるか、また何故その器具や縫合糸を使うのか一つ一つ意味や目標を持って切開剥離縫合できるようになるのが目標と説明していただきました。
歯周外科法は、通常の歯周病では治癒が望めない場合に歯肉に対して切開剥離を加えて、歯の根や骨を視認化した上で不良な組織や膿を取り除き、場合により歯を支える骨を再生させるような場合に適応されます。歯肉に対する切開の入れ方や場所、剥離の仕方により歯周外科の成功率に大きく関与します。
私自身、まだ実際の患者様に対して切開・剥離を行う機会が限られているため、今回の実習を通して技術をしっかりと習得し、臨床に活かせるようにしたいと考えています。
まとめ
今回は、この度参加させていただくことになりましたEL会の概要と私自身の抱負について述べさせていただきました。
EL会を通して基礎固めを行い、今後の診療に活かせるようにしたいです。ウィズ歯科クリニックの理念として「患者様に対して最良の医療を提供できるようそれぞれの立場で努力を続けます」という考えがあります。
この理念に従い、今後も歯科医師を始め、スタッフ一人一人がより患者様に対して最良の医療を提供できるために精進していく所存です。
最後までお読みいただきありがとうございました!