柏市の歯医者|ウィズ歯科クリニック 医療法人社団 オハナ会

【症例】露髄歯の歯髄保存

 

保育士による託児サービスのある歯医者、ウィズ歯科クリニックです。

 

今日は露髄歯(神経の出てしまった歯)の歯髄保存についてご紹介させていただきます。

 

以前にもブログで書かせていただきましたが、

https://www.with-dc.com/info/post-31/

 

当院では、診療やカウンセリング時に歯の神経を残す重要性をご説明させていただいていますが、やはり神経を取ってしまうことによって口腔内の崩壊が始まってしまうと言っても過言ではありません。

 

ですので、大きな虫歯でも症状をしっかりと見極めていくこと、また保存するための処置が非常に重要となります。

 

 

痛みを主訴に来院された30代男性の方です。

 

ここで痛みと、レントゲンからの虫歯の深さのみの診断ですと、神経を取る処置(抜髄)をしてしまうことがかなり多いです。

 

痛み方にも種類や個人差がありますが、ポイントとなるのは夜間疼痛です。

 

夜寝れないくらいの痛みが出てしまっている場合は、不可逆性の歯髄炎となってしまっていることが多く、神経を取らざるを得ません。

 

しかし、咬むと痛い(この方の場合は食べ物が穴に入ってしまうための痛み)、しみる、軽い痛み等であれば、可逆性の歯髄炎の可能性が高く、神経の保存が可能になる確率は高くなります。

 

 

赤い点が神経です。

 

この時点でほとんど神経を取られてしまうことが多いです。

 

しかし、症状を考慮し、患者様自身とご相談の上、このケースでは保存を試みました。

 

保存によるデメリットとしては、

 

①後に痛みが出る可能性がある

 

②詰め物をしたときに、しみる症状がしばらく残ってしまうことがある

 

メリットは、

 

①歯の寿命が短くならない

 

②治療回数、時間、費用がかなり少なくなる

 

主にこのようなところです。

 

 

ここから1~3か月程度時間を置くと、神経が歯の膜を内側に張ってきます。(第二象牙質)

 

神経が顔を出してしまった大きさにより、この時期をしっかり置くことも重要です。

 

同時に症状を確認していきますが、この後に型どりをして詰め物を入れ、完了しました。

 

現在1年ほど経過を見ましたが、しみたりすることもなく、非常に良好な経過をたどっています。

 

 

全ての症例で保存できるわけではありませんが、選択肢として患者様に説明することは非常に大事だと考えております。

 

虫歯の深さ、症状、性格などにより、成功率も変わってきます。

 

神経の保存に関するセカンドオピニオンで来院される方も多いのですが、進行してしまって既に手遅れになってしまっている方もいらっしゃいます。

 

口腔内の崩壊を防ぐためにも、少し違和感が出てきましたら、早めの受診を心がけてください。

 

 

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